本文中に手作りの急須の軽さについて、何度か御紹介しています。これは各部品が、鋳込みの品に比べて「薄く」出来るからです。ろくろで作られた急須は薄くて強いんですね。しかし、今ではコンスタントに軽い急須を作りだせる職人の方も、昔は軽くしようと薄く作り過ぎて取っ手の部分が垂れて来てしまったりした事も有ったそうです。相手は土ですから、このバランス感覚はまさに経験が生み出す職人の技なんでしょうね。
周辺には焼物に関しての資料館や博物館もいくつか有ります。一日ではちょっと時間が足りないかも知れませんね。
常滑にはやきもの散歩道と呼ばれるものが有ります。(Aコース1.5km Bコース4km)焼物の町の雰囲気を味わいながらぶらりと歩くには良い場所です。あちらこちらに大小の窯元が見られます。ただ、道路は狭い所が多いので御注意の程。車で行って迷い込んだりすると・・・大変です。経験者は語る。(笑)
「常滑」が全国でも珍しい焼物産地である事のひとつに「職人」の多さが上げられます。70名近くの伝統工芸士の方々が職人として活動しています。「職人」であって芸術家や作家ではないことの素晴らしさがこの土地には有ります。作られた「道具」達は通常の商品のように物流経路を経て店頭に並びます。優れた技術を持つ方達が手作りで「生活の中の道具」を作り出して下さっているのです。
まあ、私の「どのようなものでも作り手の顔の見える物や事が好き」という性格ゆえにこんな風に思うのかも知れませんが。
本文中では月産20万個と有りますが、実は数年前までは月産30万個もの生産量だったそうです。生産量の減少は「海外からの安価な量産品」の輸入が理由とされています。常滑で培われ、未来へとつながっていく技術は日本の財産です。形ある物は壊れてしまう宿命ですが、ちょっと注意を払えば人よりは長生きします。私は、安いものをぞんざいに扱って買い替えていくより、自分の気に入った物を大切にして、愛着を持つ事が大切なのではと思っています。皆さんはどうですか?
やっぱり「立つ急須達、他、一名も」
湯さましも立ったりします。(笑)
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