日本茶専門店 錦園石部商店 
titel 秋の茶園 杉山八重穂
 2006年新茶、静岡県内で最も早い摘み採りが行われた「杉山八重穂」の茶園です。ここでは年一作の手摘みしか行いません。今ではもう珍しい自然仕立て、樹齢は50年以上になるでしょう。(通常茶園の樹は摘採や更新を行いますので何十年経っても大きな樹になることはありません。)春の摘採製造の後、「台切り」の更新をしてから約四ヶ月が経った姿になります。茶樹の様子は概ね良好。来年の新茶が楽しみです

 さて、茶は永年性の農作物ですので園地に植えられると数十年はその土地で生態系を形成することになります。目に見えない細菌から虫、動物(人を含む。)まで実にバリエーション豊かです。

やぶきたの畝面にいたカマキリ
杉山八重穂

 単一の植物が同じ場所にまとまって栽培されているというのは病害虫が発生しやすい環境になります。病気や虫は常に茶園に存在し、多く発生するか発生が少ないかであり「ゼロ」になることはありえません。逆に虫や病気が「ゼロ」などというのは不自然な事なのです。茶園は茶樹を中心において、バランスのとれた状態を維持していく場所であり、これを上手くやっていくには高度な技術が必要になってきます。慣行の栽培では必要最小限を心がけながら病害虫に対しての防除(農薬の使用)、無農薬では病害虫の被害にあい難いような肥料設計や更新、土壌細菌の多様さを考えた有機質資材の使用などなど。美しく育った茶樹の影には生産者の並々ならぬ努力があります。

 雨上がりの茶園で伸び伸びと育った茶樹を見ていたら「いいお茶になるかどうかは、茶園で9割決まっているんだよ。」と優秀な生産家が話してくれたことを思い出しました。


2006年10月25日 石部健太朗



良い道具による充実のティータイム


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