単一の植物が同じ場所にまとまって栽培されているというのは病害虫が発生しやすい環境になります。病気や虫は常に茶園に存在し、多く発生するか発生が少ないかであり「ゼロ」になることはありえません。逆に虫や病気が「ゼロ」などというのは不自然な事なのです。茶園は茶樹を中心において、バランスのとれた状態を維持していく場所であり、これを上手くやっていくには高度な技術が必要になってきます。慣行の栽培では必要最小限を心がけながら病害虫に対しての防除(農薬の使用)、無農薬では病害虫の被害にあい難いような肥料設計や更新、土壌細菌の多様さを考えた有機質資材の使用などなど。美しく育った茶樹の影には生産者の並々ならぬ努力があります。
雨上がりの茶園で伸び伸びと育った茶樹を見ていたら「いいお茶になるかどうかは、茶園で9割決まっているんだよ。」と優秀な生産家が話してくれたことを思い出しました。
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