日本茶専門店 錦園石部商店 
titel 輝ける新茶の気配
杉山八重穂 静岡市
2006.03.17撮影
 史上最早といわれた2002年とほぼ同様の早さになりそうな2006年の新茶。『史上最早』といわれても一般の方はあまりピンとこないかもしれません。具体的には2002年の静岡市露地栽培新茶の摘みとりは4月4日でした。昨年は4月13日でしたから、約10日は早いと事になります。ともかくも、今年の手摘み新茶は4月上旬に生産が始まると考えてほぼ間違いないでしょう。

 このように早い年は特に「霜害」が心配されます。最近では3月に入り、15日の寒さがきつかったのですが極早生の新芽は被害も無く無事でした。茶産地に暮し、お茶に関わっていると、月が冴えて風が無い夜はともかくも心がざわつきます。

 画像の杉山八重穂のように年1作(一年に1番茶しか製造しない。)の園はたった一夜の霜で一年の苦労が全て失われてしまう可能性もあるのです。(自然仕立てのような樹型は霜害にあい難く、畝に比べて芽に力があり多少の事ではリカバリー出来るとも言われますが限度があります。)


杉山八重穂 静岡市
2006.03.17撮影
 錦園が取扱いますこの園地の杉山八重穂はメジャーな産地ではなく、摘み採りについてメディアを賑わす事はないのですが、県内の露地栽培茶ではどこよりも早いお茶です。(余談ですが、その年の初揉みは縁起もかついで良い日にちを選ぶので極早生の産地では摘採日が重なる事もしばしば。)

 さてこの杉山八重穂の生産者と話しをしていたところ、「ここまで安定してトップを切って生産が出来るようになったのはここ10年なんですよ。それまでは霜害に会ってしまいお茶になるのは3年に1回でした。これも温暖化の影響なのかもしれませんね。」と知らされました。(※この茶園は栽培が始まって約30年です。)昔は霜が降りそうな夜は家族で霜除けの菰(こも)を持って夜に茶園に行ったとも。

 地球環境が変化する中、その様子をお茶からも知る事が出来るのかも知れません。人に丹精されて、宝石のような美しい新芽。摘み採りの日まであと僅かです。どうぞ、天候に恵まれますように。 

2006年03月18日 石部健太朗


杉山八重穂 静岡市
2006.03.17撮影
 この茶園のお茶は「大走り手摘み新茶」として販売を致します。品種の特長で熱いお湯を使っても苦くなりにくく、爽やかな香りが楽しめます。

販売開始予定日:2006年4月7日
販売価格   :1,575円 /50g

 初物75日の縁起もの。季節の味覚をどうぞご期待ください。ご予約も承ります。ご希望の方は錦園まで、メール、お電話、FAXにてお知らせください。

 2005年版「大走り手摘み新茶」。2006年もこのようなお茶となります。ご参考ください。



良い道具による充実のティータイム


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