拝見茶碗にとり、熱湯を注ぐと時計の針が逆しまに回ります。
色、形、このお茶の特長が見えていく時間。
丁寧にお茶をいれるのも楽しいのですが、拝見茶碗の中で茶園の様子、製造の様子に想いを馳せるのは実に面白いものです。
単位グラム当たりに含まれる茎の割合、茶葉の形状、葉の熟度、立ち上がる香気、そして味のボリューム。
仕入をするのに必要なお茶の欠点を見つける減点法の審査ではなく、「お茶をいれる為」のある意味「加点法」の審査をしていきます。
「お茶をいれる」というのは未完成品を完成品にする作業。どの段階でどんな味わいを引き出すのか?煎ごとに何を表現していくのか?大きなヒント、そして答えが白い茶碗の中に見えてきます。
お茶とはなんと面白いものであることか。
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