Nishikien.com 茶専門店 錦園石部商店  店主 石部健太朗(日本茶インストラクター#02-0362) お茶にまつわる様々な事柄。〜owner's talk〜 
titel 茶バサミと在来茶園
在来種の園地

 owner's talkでは在来品種について時折ふれています。ご覧になった方はまず「畝」の形が一般的に目にする茶園と異なっているのに気がついていることでしょう。形が違うというのは結構、厄介なもので畝を2人で挟んで茶刈りをする可搬式の茶刈り機が使い難いということに直結します。

 では、手摘みならとも思うのですが、現在「在来種」に対しての茶商の評価は高く無く、無理に手摘みをしたところで、労働コストにつり合うお茶の買取り価格になることはほとんどありません。そんな時に使用されているのが「茶バサミ(手バサミ)」です。



茶バサミの使用風景。「内田式茶摘鋏」と読む事が出来ます。※茶刈りをしている茶園は在来園ではなくやぶきたの園です。
 茶ハサミは後ろに袋がついていて、刈った茶が入るようになっています。(※テクニックが必要。)畝の形にあまり左右されることもなく摘採が可能です。摘み採りの能力を比較してみると、
  • 手摘み =10〜15kg
  • 茶バサミ=100〜150kg

と言われます。手バサミは気をつけて使っていてもその構造として「葉」を切ってしまいますが、上手な人が使えば想像以上に綺麗な生葉が用意出来たりもします。※同じ面を2度刈りしないのがコツ。

 静岡の山間地茶園はまだまだ、在来の園地が残っています。在来の茶園と茶バサミの組み合わせをそこかしこで見る事が出来ますよ。

2005年5月9日 石部健太朗



良い道具による充実のティータイム


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