Nishikien.com 茶専門店 錦園石部商店  店主 石部健太朗(日本茶インストラクター#02-0362) お茶にまつわる様々な事柄。〜owner's talk〜 
titel 品種茶「山峡(やまかい)その2」
 
 築地勝美さんの山峡の園に到る「道」です。クルマを降りて、山道にはいり30分ほど登るとちょっと不思議な茶園が姿を現します。
新芽よりも「親葉(前年に形成された葉)」が目立ち、「ん?芽が出ていないのかな?」と一瞬、勘違いをしてしまう方もいることでしょう。これは、単位面積当たりの「芽」の数が少ない芽重型茶園であるがゆえの光景。芽重型とすると、一枚一枚の葉が大きくなり力強い「芽」が生み出されます。輝くような透き通ったイメージの茎が印象的です。
 山峡はやぶきたと比べて、繊維が強いようで、蒸し時間も長めとなります。葉が大きくなる品種になり、製品の中では3葉目の葉先部分が少し落ちた「長くて、長方形に見える葉」に気がつくことでしょう。※「やぶきた」であれば葉先が落ちずに、紡錘形になります。

 勘違いされるのですが、製品の中で「葉が大きい=硬くなった葉」ではありません。硬くなった葉は製茶の段階で壊れてしまい、「艶があり美しく長い形状」にはならないのです。茶園で健やかに、大きくなった芽だからこそ、この形になる。茶園での姿を彷佛とさせる茶葉。とても、素晴らしいことです。

2005年5月8日 石部健太朗



良い道具による充実のティータイム


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