「普通蒸しの形状のお茶」をいれていると気がつく事があります。
それは
「お茶をいれる度にその味は違う。」
ということ。針のように形状の良いもの程、顕著になっていきます。全く同じにいれることは実際には「不可能」といってもいいでしょう。
それはなぜか?「同じ葉っぱは1枚として無い」からです。品種、産地が同じであったとしても、ひと芽、ひと芽違う。※落ち着いて考えてみれば同じになるはずはありません。果物や野菜でもそうですね。
一回に使う茶葉を約5gとして、その5gを構成するそれぞれに個性のある茶葉達。味を均一に近付けるとするのなら方法としては簡単。茶葉を刻めばいいのです。一枚の葉がバラバラになり、それぞれの5gに入っているようになれば味は揃ってきます。(粉末茶のようにすればさらに均一になる。)
「毎回毎回、同じ味でいれられる。」ある意味、素晴らしいことでしょう。※この点においてはペットボトルのお茶は完璧に近い。
でもそれって本当にそんなに大切なことなのでしょうか?。大きな企業が日本全国に供給していくマスプロダクトであるのなら重要な事柄と思います。
幸か不幸かわかりませんが、石部はその世界には生きていません。園地を走り回り、生産者と話しをし未来を語り、お客様にお茶を呈したりしています。
まずは茶園での姿を一番大切にしたい。味、香りが毎回変わってもそれぞれに美味しい。そんな「一期一会のお茶の味」を楽しめるお茶を提供したい。
4月も晦日となりました。いよいよ待ちに待った山間地生産茶の生産ピークがやってきます。 |