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「朱」から「黒」への変身。「燻し」の技法
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呈茶イベントでも活躍中の急須達。中でもスマートな雰囲気の「黒」が人気です。お客様に「黒く塗っているんですか?」と質問をされる事も時折あります。この「黒」は塗っているのでは無く「燻し」の技法によって生み出されます。
では、具体的にどのようにするのか?
常滑といえば「朱泥」の赤い急須がお馴染みです。一旦、「朱泥急須」を造り、それをさらに籾殻に埋めて焼く「燻す」のがこの技法です。 |
籾殻に埋められている朱泥急須。
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800度近い温度で一昼夜、窯に入っていると「朱の急須」は還元作用によって「黒の急須」に生まれ変わります。※つまり、燻し工程があるというのは、通常より一回多く窯で焼かれる事になります。
常滑に到る道路を走っていると稲作が盛んな土地柄なんだなあと実感します。これは焼物の資材として籾殻が豊富にあるということなのでしょうね。 |
「燻し」工程の後、
黒く色を変えた急須。
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燻しの技法による黒は人の手で塗るものではなく、焼物の偶然エッセンスを感じる色。※まれに急須の内側が銀色になっている時もあります。
錦園の茶器では「錦園の急須 黒1.8&0.5」「湯さまし 黒1.8&0.5」「黒のティーポット」「常滑蓋椀 高資 黒の蓋碗」黒い茶器のほとんどがこの技法の「黒」です。尚、この他にある「黒い茶器」は「職人急須宝生庵」と「蓋置き/黒」。こちらは土の色そのものが黒い茶器になります。 |
「燻し」の技法による「黒」と燻さない「朱」
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2005年4月19日 石部健太朗
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